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冬の日本海の風物詩「波の花」~海のメレンゲ~

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波の花とは

雪のように舞う海の自然現象

季節風が強い日に、海岸に打ち寄せた波が白い泡になって、雪のように舞い海岸を覆います。この泡の正体は、海水中に漂う植物性プランクトンです。粘度の高まったプランクトンが岩場にぶつかることで、空気と混じって、石けんの泡にようになります。海水の温度が下がると、プランクトンの粘度が高まるようです。「波の花」は日本海の自然特性を生かした観光資源です。ただ、泡が衣服に付くとシミになる恐れがあるので、注意して鑑賞しましょう。

2023年12月18日 越前海岸

福井テレビのニュースによると、「荒波の中 波の花出現~越前海岸の冬の風物詩~」。
12月18日午後1時ごろ、福井市鮎川町の海岸で「波の花」が見られたようです。

発生する条件

<時期>11月下旬ごろ~2月下旬ごろ

<場所>北海道(留萌)、秋田県、新潟県、石川県(輪島・珠洲)
     福井県(越前海岸)など

※補足:新潟県佐渡島の外海府や真野湾、石川県奥能登の曽々木海岸や鴨ヶ浦付近など

<天気図>西高東低の冬型の気圧配置
<気象>強風、高波、低温

これらの条件が揃っていると、「波の花」が発生しやすくなります。ただ、これらの条件はあくまで目安で、必ずしも見られるとは限りません。なお、過去に輪島市のホームページには、「波の花」の発生予想情報があったようです。

鑑賞の注意点

「波の花」は粘りがあり塩分を含んでいます。鑑賞の際に、泡が車につくと錆びの原因にもなります。また、泡が打ち寄せている岩場は特に滑りやすくなっています。撮影するときは注意してください。

「波の花」のはじまり

オーストラリア

20世紀の半ば、オーストラリア南東部の海岸には、大量の泡が吹き寄せられ、長時間残ることがありました。そのたびに、オーストラリア博物館に問い合わせが寄せられたが、当時は科学的な情報がなかったため、「よくわからない」と回答していたようです。その疑問に関心をもった同博物館の女性研究員エリザベス・ポープは、「プランクトンのタンパク質や脂質、海藻が含むアルギン酸などが海水の表面張力を低下させ、発生した泡を持続させる。海が荒れるとプランクトンの体が壊れやすく、滲出した物質を含んだ海水が、泡立て器で卵白を攪拌するように泡立ち、持続する泡が海岸に打ち上げられて堆積する。」という答えにたどり着いたようです。

日本

同じく20世紀の半ば、多くの海洋観測者が海の泡の存在を知りながら、科学的な知見がないことを憂いた、海洋物理学者の阿部友三郎博士は、海泡研究のはじまりとなる論文を1948年に発表しています。

波の花のでき方は、お菓子の材料とするメレンゲ作りによく似ているとのことです。確かに、波の花はメレンゲのようです。

話題の環境トピックス 浜を読む④ ~波の花~

引用:日本自然保護協会ホームページ

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