曼殊沙華(彼岸花)
2023年は記録的な猛暑が続き、その影響か?曼殊沙華(彼岸花)の開花も遅れ、イベントを延期する等のニュースもありました。しかし、例年曼殊沙華(彼岸花)は全国各地で秋の彼岸に合わせたように花を咲かせます。
気象庁の生物季節観測 彼岸花の開花(平年値)を調べると…
富山(9月22日)、長野(9月20日)、銚子(9月21日)、静岡(9月16日)、神戸(9月23日)
高知(9月16日)、那覇(9月10日)、石垣島(10月7日)など
※東北地方 仙台、福島、白河では観測していた時期あり
※北海道 観測していた気象官署なし…北海道では彼岸花は咲かないようです
全国の彼岸花の開花(平年値)をみると、南の地方から、北の地方から開花するというわけではない!
植物が季節の変化を知る方法は「日照時間」と「温度(気温・地温)」です。
一日24時間のサイクルで、連続した日照がある一定の時間より短くなると(暗い時間が長くなると)花芽が形成される植物を短日植物、一定の時間より長くなると(暗い時間が短くなると)花芽ができるものを長日植物といいます。彼岸花も短日植物になるようです。また、彼岸花の開花には、地温が大きく影響しているようです。
そもそも、急に地面から花茎が伸びてきて、急に花を咲かせます。全国で秋の彼岸ごろに咲くのは不思議ですね。何を感じて…複雑で微妙なバランスがあるのでしょう…
彼岸花は「花は葉を知らず、葉は花を知らず」といい、花と葉が別々の季節に咲きます。花が咲き終わった10月ごろから細い葉が生え始め、冬枯れの群生地が「緑一色」に変わります。そして、緑の葉が光合成で球根に栄養を蓄えます。2月ごろには葉も枯れてなくなり、9月の彼岸の時期になると芽が出て花を咲かせます。
ヒガンバナに種子はなく、全国すべて同一の遺伝子らしいです。ヒガンバナは帰化植物とされ、中国から渡ってきて、人の手で株を植えられて分布を広げてきたようです。
権現堂公園(埼玉県幸手市)
権現堂公園には関東の桜の名所として有名な幸手権現堂桜堤があり、約1000本のソメイヨシノが1kmにわたって咲き誇り、堤の周辺の菜の花とのコントラストが見事で、毎年花見を楽しむ多くの方が訪れます。
桜や菜の花以外にも、6月に紫陽花、9月に曼珠沙華(彼岸花)、例年1月に水仙が見頃を迎え、 四季折々の花見を楽しむことができます。
2023年9月23日撮影
リンク:権現堂公園ホームページ(花情報)
曼殊沙華の里・巾着田(埼玉県日高市)
巾着田(きんちゃくだ)は、日高市内を流れる清流、高麗川の蛇行により長い年月をかけてつくられ、その形がきんちゃくの形に似ていることから、巾着田と呼ばれるようになりました。
直径約500メートル、面積約22ヘクタールの川に囲まれた平地に、菜の花、コスモスなどの花々が咲き、中でも秋の曼珠沙華(まんじゅしゃげ)群生地は辺り一面が真紅に染まり、まるで赤いじゅうたんを敷き詰めたようです。毎年多くの人がその美しさに惹かれて訪れます。
リンク:ひだか巾着田ホームページ(日高市巾着田管理事務所)