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「ひみ寒ぶり」とブリ漁況の見通し

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富山県のシンボル 県のさかな:ブリ

平成8年(1996年)10月12日制定
「ツバイソ(コズクラ)」「フクラギ」「ガンド」「ブリ」と呼び名を変える出世魚で「富山湾の王者」としての風格があります。特に「寒ブリ」は脂がのっておいしく、冬の富山湾を代表する味覚です。

富山湾の王者・ひみ寒ぶり

ブリは回遊魚で、寿命は7から8歳、体長120cm程度まで成長します。日本海では春から夏にかけて北上し、冬の訪れとともに日本海の北から温かい海域を求めて南下します。その途中で、能登半島にぶつかり、富山湾へ入ってくるようです。3月から5月に九州付近で産卵、卵はモジャコと呼ばれる稚魚となって流れ藻に付着し、エサをとりながら成長します。モジャコの生存率は、1年に産むといわれる300万粒の卵のうちわずか0.1%、3000尾といわれています。

一般的に「ブリ」と呼ばれる大きさは、80cm以上のものをいい、富山では60~80cmのものを「ガンド」、40~60cmのものを「フクラギ」、20~40cmのものを「ツバイソ」と呼び、成長に合わせて呼び方が変わる、いわゆる出世魚です。

鰤起し

晩秋から初冬にかけて、大陸から寒気が流れ込むと、富山湾に地響きのような雷鳴とともに、強風が吹き荒れます。この風雪をともなう荒天が、ブリの豊漁を告げる「鰤起し」です。
この時期のブリの漁獲統計では、低気圧や寒冷前線が能登半島付近を通過後に、まとまった漁獲があるという説もあります。

「ひみ寒ぶり」とは?

「ひみ寒ぶり」とは、氷見漁協、漁業関係者などで構成される「氷見魚ブランド対策協議会」が定めた期間に富山湾の定置網で捕獲され、氷見漁港で競られたブリのことです。対策協議会がブリの大きさや数量・形などをチェック、本格的な氷見のブリシーズンが迎えたことを判断したうえで、「ひみ寒ぶり」宣言を発表します。

宣言後は、1尾に1枚、氷見漁港で競られたことを証明する販売証明書を発行し、統一の青箱に入れて出荷します。
6kg以上のブリが「ひみ寒ぶり」として認められます。

令和5年度 ひみ寒ぶり宣言

2023年12月23日に、令和5年度「ひみ寒ぶり宣言」が出ました。見送りになった年を除き、過去3番目に遅い宣言となりました。

ひみ寒ぶりの日々の漁獲本数を公開しています。

リンク:氷見市ホームページ(令和5年度「ひみ寒ぶり」漁獲情報)

令和5年 ブリ漁況の見通し 

※富山県 農林水産総合技術センター 水産研究所 令和5年11月17日発表

<2023年10月~2024年3月の富山県におけるブリ漁獲量>
3歳以上のブリ(体重7kg以上)は、平年(132トン)をやや上回ると予想

根拠となった情報

①ブリの資源レベル
・日本海において、今シーズン「ブリ銘柄」の漁獲対象となる魚のうち、2021 年産まれの2歳魚(4kg 前後)、2020 年産まれの3歳魚(7kg 前後)および 2019 年産まれの4歳魚(9kg 前後)はいずれも低い水準と考えられる。
・3歳以上のブリについて、北上期のブリ漁獲量(新潟県、秋田県における北上期(4~8月)の定置網によるブリ漁獲量)を基に計算すると、日本海における主要な漁獲県である新潟、富山、石川の3県における今漁期の定置網の合計漁獲量は 993 トン(過去 10 年平均比 120%)と予想された。

②漁獲量と周辺海域の水温との分析結果(3歳以上のブリ)
3歳以上のブリ漁獲量は、日本海の 12 月上旬の水深 100m 水温において、山形沖の水温が高く、能登半島沖の水温が低くなり、その水温差が大きくなるほど、富山湾の漁獲配分割合が高くなり、多く漁獲される傾向にある。
・日本周辺の水温等の海況を予測するシステム(FRA-ROMSⅡ)によると、2023 年 12 月上旬の同海域の水温差は 2.84℃(平年値 4.16℃)と予測されている。このことから、富山湾の漁獲配分割合は 55%(平年値 62%)と計算され、水温環境からみて富山湾へは平年よりやや来遊しにくいと考えられた。また、富山湾内における富山県への配分割合は過去 10 年平均で 26%であった。

以上の根拠から、富山県における3歳以上のブリ漁獲量は、993トン×55%×26%=145 トン(過去10年平均比109%)と算出され、平年をやや上回ると予想される。

ブリが日本海を南下するときに、能登沖に水温の低い海域があると、本州の陸地に近いところを進み、富山湾に迷い込むと考えてられています。ブリは冷たい水を嫌うようです。

富山県における2歳、3歳以上のブリ漁獲量(10月~翌年3月)

漁期年2歳3歳以上
2013年14トン160トン
2014年91トン128トン
2015年9トン17トン
2016年81トン70トン
2017年58トン50トン
2018年32トン182トン
2019年16トン155トン
2020年7トン205トン
2021年60トン81トン
2022年61トン276トン
2023年(予想値)19トン145トン

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