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「天気予報活用ハンドブック」 オフィス気象キャスター株式会社 編

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レビュー:★★★★★

著者の田代大輔氏は、NHK気象キャスターでご活躍されている頃から大ファンである。まず天気に関する情報が満載で、ぎゅっと濃縮されています。なのに非常に読みやすさを感じました。文字の大きさ、配置、言葉の表現(選択)などの影響かな?そして、わたしが特に勉強になったのが「第2章 近年の気象災害事例」です。読みながら、わたしも該当事例を調べながら、進めたのですが、近年の気象災害事例が頭の中で整理できました。類似の気象災害は再びやってきます。そのうえでもとても役立ちました。また、近年気象災害が激化していることも改めて感じました。そのほかにもたくさんのコラムやトピックスも。天気に興味にある方、天気の仕事を目指す方、そして、天気のプロの方にもお薦めの一冊です。

目次

目次

第1章 天気図の見方

1-1天気図の基本を知ろう
1-1-1「気圧」を知る
※どうして低気圧は雨、高気圧は晴れ? ※気圧を立体的に考えてみよう
1-1-2「風」を知る
1-1-3季節の主役「気団」を知る
1-2四季とともにめぐる天気図
1-2-1春一番は春の便りではない? ~春の嵐は吹雪の前触れ~
1-2-2春に三日の晴れなし ~移動性高気圧~
1-2-3春に暑い日も ~南高北低の気圧配置~
1-2-4雨の季節へ ~「梅雨入り」とは~
1-2-5千変万化な雨の季節 ~梅雨前線とともに~
【第1ステージ】5月:沖縄・奄美で梅雨入り
【第2ステージ】6月:入梅
【第3ステージ】7月前半:梅雨の最盛期
【第4ステージ】7月後半:梅雨末期
1-2-6夏の主役は亜熱帯育ち ~太平洋高気圧~
1-2-7夏なのに寒い! ~犯人は「やませ」~
1-2-8雷三日 ~天気図でみえない「不安定」~
1-2-9台風を知る
※台風の基礎知識 ※タイプ別に見る台風の特徴 ※台風とともに現れる現象
※台風の第二の人生:温帯低気圧として再発達 ※進化を続ける観測と予報
1-2-10台風+前線=大雨警戒 ~秋雨前線~
1-2-11馬も肥える気持ちよさ ~秋のさわやかな高気圧~
1-2-12曇雨天をもたらす高気圧 ~北高型の気圧配置~
1-2-13静かに訪れる冬の足音 ~放射冷却~
1-2-14何が強い? ~強い冬型の気圧配置~
※低気圧が急発達:「風が強い」冬型
※高気圧がしっかり張り出す:「寒気が強い」冬型
1-2-15雨か雪か悩ましい ~南岸低気圧~
※注目点① 低気圧進路と雲の範囲
※注目点② 上空の気温
※注目点③ 雲の発達具合
※注目点④ 降る≠積もる
1-3高層天気図
1-3-1高層天気図とは
1-3-2高層天気図でわかること
※地上の寒さ・暖かさの目安:850hPa(上空1500m付近)の気温
※荒天リスクの目安:500hPa等圧面(上空5500m付近)の高度・気温
1-3-3偏西風の流れを見てみよう

第2章 近年の気象災害事例

2-1融ける雪の怖さ
~降った雨以上の水が流れる融雪洪水~

2018年3月8日~9日、発達しながら北海道に進んだ低気圧は、記録的な雨だけでなく融雪も引き起こした。
北海道内では複数の川が氾濫し、住宅の浸水や農業用ハウスの倒壊も発生。
冬に川が氷結する地域ならではの現象である「アイスジャム」も被害を拡大させた。
2-2南岸低気圧による大雪と雪崩
~登山訓練中の高校性が犠牲に~

2017年3月27日、本州南岸を低気圧が急発達しながら進み、栃木県那須町で3月の観測史上最大となる35センチの雪が降った。その日、那須温泉ファミリースキー場の近くで雪崩が発生。「春山登山安全講習会」で登山訓練をしていた高校生らを大量の雪があっという間の飲み込んだ。

※2017年3月27日に栃木県那須町で発生した雪崩災害に関する調査研究(防災科学技術研究所)
 https://www.bosai.go.jp/seppyo-prev/kenkyu_naiyou/nasu/nasu_report.html
2-3急発達した低気圧が新年度を直撃!
~全国各地で記録的暴風~

2012年4月3日、日本海を急速に発達しながら低気圧が進み、翌4日にかけて西日本から北日本の広い範囲に記録的な暴風をもたらした。全国に約900ある観測地点のうち75地点で最大風速を更新した。低気圧の中心気圧は24時間で42hPa低下した。富山県内ではトラックが24台横転した。

※平成24年4月3日から4日にかけて急速に発達した低気圧に関する気象速報(富山地方気象台)
https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/data/bosai/report/2012/20120403/pdf/2012_1_toyama_1.pdf
2-4美しくも恐ろしい凍霜害
~農家を苦しめ続ける春~

近年、都市化により乾燥が進み、霜が発生する水蒸気が減っていることや、草の生えないアスファルトが増えたことから、霜を見る機会が減っているかもしれない。ただ、2016年4月12日の冷え込みでは、霜による農作物の被害が相次いだ。
2-5家を基礎ごと持ち上げた突風
~同時多発的に発生した竜巻~

2012年5月6日の昼頃、茨城・栃木・福島の3県にまたがるエリアで同時多発的に竜巻が発生した。最も規模の大きかった竜巻は、30km以上もの距離を移動しながら周囲に被害を及ぼした。一連の竜巻により、茨城県では約1300棟、栃木県でも約900棟の建物が損壊、けが人は50人を超え、1人が亡くなった。

※平成24年5月6日に発生した竜巻について(報告)
 https://www.jma.go.jp/jma/press/1206/08b/toppuhoukoku120608.pdf

※2012年5月6日に茨城県つくば市で発生した竜巻災害
 https://www.jsnds.org/ssk/ssk_32_1_045.pdf

※2012年5月のつくば市における竜巻災害について
 https://www.gsi.go.jp/common/000076291.pdf

※2012年 茨城・栃木などで竜巻(NHKアーカイブス)
 https://www2.nhk.or.jp/archives/movies/?id=D0026010005_00000
2-6東北・関東で相次いだ山火事
~乾いた強風をもたらすフェーン現象~

2017年5月8日昼頃、宮城県栗原市の山林で火災が発生した。同じ頃、岩手県釜石市の山林でも火災が発生。さらに、福島県会津坂下町では住宅火災が山林に延焼し、栃木県那須温泉ファミリースキー場周辺の山林からも火が出た。この日、東北を中心に吹いていた強い西風は、日本海側から脊梁山脈を越え、乾いた熱風となって太平洋側へ強く吹き下ろすフェーン現象となった。
2-7北海道で39℃超
~初夏の北国にもたらされた記録的暑さ~

2019年5月26日、北海道佐呂間町で観測された最高気温39.5℃。それまで北海道では5月に35℃以上の猛暑日になったことがありませんでした。北海道の道東で記録的な高温になる典型的なフェーン現象です。
2-8激しい雷雨と大粒のひょう
~初夏の東京に「雪景色」~

2014年6月24日、本州付近は関東を中心に大気の状態が不安定となり、広い範囲で荒れた天気となった。各地で落雷が起き、神奈川県と茨城県では感電によるけが人が出たほか、停電や鉄道の運休も発生した。東京都の三鷹市や調布市では、ひょうが降り、道路一面真っ白になった。多いところでは30センチ積もった。
2-9広範囲で降り続いた歴史的大雨
~平成30年7月豪雨(西日本豪雨)~

2018年6月末、日本列島には気象関係者を震撼させる予報が出ていた。日本海にかかる梅雨前線がこの先10日間も、西日本から東日本の広い範囲に雨を降らせ続けることが予想されていた。6月28日から7月8日にかけて広範囲で断続的に雨が降り、100を超える観測地点で歴史的な大雨となった。11府県に大雨特別警報が発表され、200人を超える人が亡くなった。

※平成30年7月豪雨(前線及び台風第7号による大雨等)平成30年(2018年)6月28日~7月8日
https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/data/bosai/report/2018/20180713/20180713.html
2-10災害級の暑さを記録
~熊谷で観測史上最高気温41.1℃~

2018年の7月はほぼ毎日、猛暑か大雨がニュースになる1か月だった。7月23日、埼玉県熊谷市で41.1℃を観測し、国内の最高気温の記録を更新した。気象庁は臨時の会見を開き、担当官は「命の危険がある暑さ」「1つの災害と認識している」とコメントし、大きく報道された。
2-11一晩で100か所を超えた広島の土砂災害
~間に合わなかった注意喚起~

2014年8月20日の明け方、広島市の住宅地を突然、大量の土砂が襲った。19日夜遅くに急に強まり始めた雨は20日になると、猛烈な降り方となり、真っ暗な中で災害の危険度が急激に増していった。20日午前3時過ぎ、住宅地の裏手に広がる山のあちこちから同時多発的に流れ出した土砂はあっという間に家々を飲み込んだ。避難勧告が出たのは午前4時15分。すでに大きな被害が出たあとだった。

※平成26年8月19日から20 日にかけての広島県の大雨について
https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/data/bosai/report/2014/20140815/pdf/2014_4_hiroshima_1.pdf
2-12北海道で相次いだ台風上陸
~普段と違うことが起きる怖さ~

2016年8月、台風が相次いで北海道を襲った。8月上旬、台風5号が北海道の東の海上を進み、オホーツク海側を中心に100mmを超える大雨となった。その後、8月中旬から下旬にかけて、北海道には、台風6号が接近、7号・11号・9号が順に上陸し、さらに台風10号も接近して、8月の1か月間に5つの台風が上陸また接近した。北海道内では8月の降水量が平年の4倍を超えた所もあった。
2-13異例の経路で東北太平洋側に初上陸
~避難の準備とは何かをつきつけた台風10号~

2016年8月30日午後6時、台風10号が岩手県大船渡市に上陸した。1951年の統計開始以来、台風が東北太平洋側に直接上陸するのは初めてのこと。岩手県の沿岸地域では、この日の午後、激しい雨が続き、複数の川で水位が上昇した。翌日、宮古市や久慈市を中心とした岩手県の各地が大規模に冠水し、岩泉町の高齢者グループホームで複数の遺体が発見される。近くの小本川が氾濫し施設が浸水する中、避難が間に合わず被害に遭った高齢者であった。

※平成28年台風10号災害時の岩手県岩泉町の被害の概要
https://www.fdma.go.jp/singi_kento/singi/items/h28_shingi/03/shiryo5.pdf
2-14紀伊半島大水害
~特別警報導入のきっかけ・台風12号~

2011年の9月初め、大型の台風12号が西日本にゆっくり近づいた。北上のスピードは時速10km前後とかなり遅い速度だった。台風が上陸したのは、9月3日だったが、北上中の段階から台風周辺の暖かく湿った空気が流れ込み続けたことで雨が続き、総降水量が2000mmを超える所があった。記録的な大雨の中、「深層崩壊」と呼ばれる地盤が丸ごと崩れる大規模な土砂災害や、大量の土砂流入による「「土砂ダム」の形成と決壊の危険性が大きく報道された。

※平成23年台風第12号による大雨(紀伊半島大水害)の紹介 津地方気象台
https://www.jma-net.go.jp/tsu/knowledge/h23suigai.html

※2011年紀伊半島大水害 国土交通省近畿地方整備局 災害対応の記録
https://www.kkr.mlit.go.jp/bousai/qgl8vl0000008ajd-att/kiihantou-kirokushi.pdf
2-15記録的暴風と記録的高潮、そして関空の孤立
~「非常に強い」勢力で上陸・台風21号

2018年9月4日、徳島県に上陸した台風21号は2日前に発達のピークを過ぎていたにも関わらず、勢力は「非常に強い」だった(25年ぶりの記録)。近畿では記録的な高潮によって広範囲で冠水した。台風の進行方向右側にあった関西国際空港では、滑走路が冠水しただけでなく、人工島である空港と対岸を結ぶ唯一の連絡橋に、湾内で停泊していたタンカーが風で流されて衝突。利用客ら約3000人が孤立した。

※平成30年9月4日の台風第21号による暴風と大雨、高潮について(大阪府の気象速報)
https://www.jma-net.go.jp/osaka/kikou/saigai/pdf/sokuhou/20180906.pdf

※過去事例を引用した警戒の呼びかけ
 平成30年(2018年)台風第21号 記録的な暴風 和歌山地方気象台
https://www.jma-net.go.jp/wakayama/bousai/kakojirei/kakojirei2018T21.pdf

※2018年台風21号 NHKアーカイブス
https://www2.nhk.or.jp/archives/movies/?id=D0026010460_00000
2-16去った後に拡大した「塩害」
~厄介な置き土産が多かった台風24号

2018年9月30日の夜に、和歌山県に上陸した台風24号は速度を上げて本州を駆け抜け、翌朝には東の海上に抜けて温帯低気圧に変わった。台風は上陸前も、そして上陸後に本州を通過する間にも記録的な大雨や暴風、高波、高潮などをもたらしたが、台風が離れて数日が経ってから認識された災害が「塩害」だった。停電、鉄道の運休、農作物や樹木の被害など「塩水による害」は様々な分野に及んだ。

※2018年台風24号(Trami)の気象的特徴と塩害の概要
 https://www.jsnds.org/ssk/ssk_37_4_365.pdf

※台風24号で「塩害」、関東などの沿岸部 電柱から火花 日本経済新聞
 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36061820T01C18A0CC0000/

※台風24号による塩風害(塩害)、台風25号も?饒村曜
 https://news.yahoo.co.jp/expert/authors/nyomurayo

※台風24号による塩害被害 東京西部や埼玉など内陸部まで拡大 ウェザーニュース
 https://weathernews.jp/s/topics/201810/030165/
2-17火山由来の大地を崩した台風26号
~伊豆大島で国内最大の雨を観測~

2013年10月16日の未明、伊豆大島の大島町消防本部に「家が流されている」「消防車両も動けない」などの報告が次々と届いた。このとき、台風26号がまさに伊豆大島に向かって北上していて、島内では猛烈な雨が降り続いていた。夜間ということで避難勧告を出すのはかえって危険だという判断で、防災無線で警戒を呼びかけるに留め、夜明けを迎えた。朝日を迎えて浮かび上がったのは、島最大の集落である元町地区が土砂に飲み込まれた光景だった。このとき降った雨は6時間降水量として日本の観測史上最大、24時間雨量は824mmと平年10月の2.5倍に達した。

※台風第26号による暴風・大雨  平成25(2013)年10月14日~10月16日(速報)気象庁
 https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/data/bosai/report/2013/20131014/20131014.html

※2013 年(平成 25 年)台風26号による災害
https://www.bousai.go.jp/kaigirep/houkokusho/hukkousesaku/saigaitaiou/output_html_1/pdf/201301.pdf
2-18統計史上初!超大型で上陸
~秋らしい 大雨と暴風をもたらした台風21号~

2017年10月下旬、秋雨前線が停滞する日本列島に台風が接近した。超大型で非常に強い台風21号。台風周辺の暖かく湿った空気が流れ込んで秋雨前線の活動が活発化し、上陸前から本州の各地で大雨となった。23日午前3時、静岡県に上陸し、この時点で勢力は1つ下の「強い」ランクになっていたが、大きさは「超大型」のままで、1991年に上陸時の大きさの統計を取り始めて以来、初めてのことだった。

台風はその後、温帯低気圧として再発達し、北から強い寒気を引き込んだ。北海道で10月としては記録的な積雪となったほか、関東の山にも平年より早い冬の便りが届いた。
2-19晩秋の都心で雪!
~南岸低気圧で史上最早の積雪~

2016年11月23日、日本の上空に真冬並みの寒気が流れ込んだ。この強い寒気が居座った状態で翌11月24日、関東の南海上で低気圧が発生し、関東甲信の広い範囲に雪を降らせた。東京では54年ぶりとなる11月の初雪となり、横浜や水戸など関東各地で平年より大幅に早い初雪を観測。東京の初雪は融けずに積もり、11月としては観測史上初めての積雪となった。

※11月24日、東京都心で異例の積雪 ウェザーニュース
 https://jp.weathernews.com/news/14872

※東京都心で積雪、11月は観測史上初 日本経済新聞
 https://www.nikkei.com/article/DGXLASDG24H1U_U6A121C1MM0000/
2-20800世帯以上が孤立した大雪
~温暖な地域だからこその災害~

2014年12月5日、冬型の気圧配置と強い寒気によって日本海側の広い範囲で雪が降り、太平洋側にも雪雲が流れ込み、仙台から鹿児島の各地で初雪、初冠雪の発表が相次いだ。徳島県では、国道で約130台の車が立ち往生し、雪による倒木などで道路が寸断され最大で800世帯が孤立。うち約650世帯は孤立が丸2日以上に及び、大半で電気や水道などのライフラインも経たれた。

※ 平成26年(2014年)12月5日~6日 参考・大雪 気象庁
 https://www.data.jma.go.jp/tokushima/shosai/kakojirei/jirei_4.pdf

※厳しい気候や災害への備え 松山河川国道事務所
 https://www.skr.mlit.go.jp/matsuyam/road/sonae.html

※12月上旬としては異例の積雪、海水温と最強寒波が影響(ウェザーニュース)
 https://jp.weathernews.com/wp-content/uploads/2016/04/20141209.pdf

※2014年12月5日 四国で大雪(NHKアーカイブス)
 https://www2.nhk.or.jp/archives/movies/?id=D0026010427_00000
2-21糸魚川大規模火災
~年の瀬を襲ったフェーン現象の脅威~

2016年12月22日、新潟県糸魚川市で大規模な火災が発生した。火元はコンロの火を消し忘れたラーメン店で、強風による飛び火や延焼が発生し、木造建物が密集する商店街一体に燃え広がった。強風の要因は、日本海で発達した低気圧。鎮火まで30時間を要した大規模火災は120棟を全焼。市街地における火災としては、1976年に山形県で発生した「酒田大火」以来(地震による火災を除く)、40年ぶりの規模となった。

※平成28年12月22日 糸魚川市駅北大火(糸魚川市駅北大火復興情報サイト)
 https://www.city.itoigawa.lg.jp/hope/taika/hisai/index.html

※糸魚川市大規模火災を踏まえた今後の消防のあり方(総務省消防庁ホームページ)
 https://www.fdma.go.jp/publication/hakusho/h29/topics2/46070.html
2-22南国に現れた雪
~沖縄本島で観測史上初の雪~

2016年1月24日の午後10時半頃から約15分間、沖縄本島北部の名護市で「みぞれ」が観測された。気象庁の観測開始以来、沖縄本島で雪が観測されたことは初めてでした。なお、これに先立ち久米島でも「みぞれ」を観測し、沖縄県全体としては1977年2月に久米島で観測された「みぞれ」以来、39年ぶり史上2回目の雪となった。同日、奄美大島(鹿児島県)の名瀬でも雪を観測。奄美地方として115年ぶりの雪となった。

※江戸時代にも降った?!沖縄で初めて雪を観測した日 気象台に聞いてみた【動画あり】(沖縄タイムス)
 https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/861161

※沖縄で「雪」を観測 39年ぶり史上2回目(沖縄タイムス)
 https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/23144
2-233日前からわかっていた記録的大雪
~平成の福井豪雪~

2018年2月6日、連日の降雪で福井市で積雪が130cmを超えた。「56豪雪」と呼ばれる昭和56(1981)年の大雪以来、37年ぶりの事態となった。その後も雪は降り続き、2月の最深積雪は九頭竜(大野市)で301cm、武生(越前市)で130cmなど観測史上最大を記録した。除雪が追いつかないまま平年の7倍ほどの雪が積もり、JRなどの公共交通機関は運休、高速道路も通行止めとなり、国道8号には約1500台の車が立ち往生し、解消するまで3日を要した。物流のストップにより小売店の店頭は品薄となり、ガソリンスタンドで給油が出来なくなるなど生活に大きな影響が出た。

※平成30年2月4日から8日にかけての大雪に関する福井県気象速報(福井地方気象台)
 https://www.data.jma.go.jp/fukui/shosai/PDF_news/sokuhou/20180204-08_snow.pdf

※今後の大雪に関する対策【平成30年2月豪雪】(福井県)
 https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/kikitaisaku/disaster_archive_fukui_d/fil/11ooyuki_H30_2.pdf

※2018年(平成30年)福井豪雪(近畿地方整備局)
 https://www.kkr.mlit.go.jp/bousai/saigairaiburari/disasters_detail.php?id=44
2-24記録的積雪で関東甲信の平地が雪国に
~南岸低気圧で2週連続の大雪~

2014年2月8日、本州南岸を低気圧が進み、太平洋側では東海から東北の広い範囲で平地も含めて雪が降った。東京都心で積雪は27cmを観測し、45年ぶりの事態となった。2月14日、再び本州南岸を低気圧が通過し、8日ほどの大雪にはならないという見解であったが、東京都心では翌15日未明に27cmの積雪を観測した。山梨県甲府市では積雪が急増し、明け方までに1mを超えた。100年を超える観測歴史の中で最大46cmであったが、記録を大幅更新した。関東北部や甲信の各地で積雪が100cm前後となり、平地でも落雪や屋根の崩落が発生。山間部では集落孤立や農業用ハウス等の倒壊が相次いだ。主要道路や交通機関が長時間止まったため、流通や生活に大きな影響が出た。

※発達した低気圧による大雪・暴風雪 平成26年(2014年)2月14日~2月19日(速報)気象庁
 https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/data/bosai/report/2014/20140214/20140214.html

※2014年(平成26年)2月14~16日大雪による災害(内閣府)
https://www.bousai.go.jp/kaigirep/houkokusho/hukkousesaku/saigaitaiou/output_html_1/pdf/201401.pdf

※2014年2月8日と14~15日の大雪の発生要因と過去事例との比較(気象庁気象研究所・加藤輝之)
 https://www.mri-jma.go.jp/Dep/typ/araki/snow/20150810Kato.pdf

第3章 防災情報としての気象情報

3-1「判断する」ための基礎知識
3-1-1「5段階の警戒レベル」
3-1-2危険度分布
3-1-3ハザードマップ
3-2大雨に関する情報
3-2-1早期注意情報(警報級の可能性)
3-2-2注意報
3-2-3警報
3-2-4土砂災害警戒情報・記録的短時間大雨情報
3-2-5大雨特別警報
3-2-6指定河川洪水予報
3-3「行動する」ための情報
※高齢者等避難 ※避難指示 ※緊急安全確保
※指定緊急避難場所 ※指定避難所
3-4暴風・高波・高潮に関する情報
3-4-1暴風に関する情報
3-4-2高波に関する情報
3-4-3高潮に関する情報
3-5雪に関する情報
3-5-1雪に関する注意報・警報・特別警報
※大雪注意報・大雪警報・大雪特別警報
※風雪注意報・暴風雪警報・暴風雪特別警報
※なだれ注意報 ※着雪注意報 ※融雪注意報
3-5-2解析積雪深・解析降雪量
3-5-3大雪に対してさらなる警戒を呼びかける場合
3-6生活や産業を守るための気象情報
3-6-1注意報あれこれ
※濃霧注意報 ※乾燥注意報 ※低温注意報 ※霜注意報
3-6-2暑さに関する情報
3-6-3光化学スモッグに関する情報
3-6-4さまざまなニーズに応えて

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